人文系私設図書館 Lucha Libro

桜の絵 つぼみの絵

2016年と2017年と。

 2016年が終わろうとしています。思い返せば、新たな出会いに溢れた一年でした。

 4月に奈良県東吉野村へ引っ越し、障害者の就労支援という新しい仕事を始めました。自宅を図書館としてオープンし、毎月研究会を行いました。そんな一年を一言で表すなら、忙しかったけど「しっくりきた」ということでしょうか。

 物事を測る尺度はどこにあるのか。その物差しを「自分のなかに」持っている人。そんな人たちはぼくから見ると「面白い」のだけれど、世間的にみると「変わっている」と言われ、社会のメンバーシップを有していないかのように扱われてしまいます。

 もちろん理念や制度の上では「一員」とされていても、実社会のなかでは「生きづらさ」を感じざるを得ない。そのような人たちは「障害者」と呼ばれ、中央と地方、都市と農村というふうに人口や経済発展の状態で例えた場合、地方や農村といった「何も持たざるもの」としてカテゴライズされてしまいます。

 山間部の農村、障害者の就労支援という場に身を置くことができ、自分の無意識下に存在する想いがその状況に「しっくりきた」。そのような一年でした。関係各位のみなさま、誠にありがとうございました。

 2017年は自分と身の回りの人、そして関われる範囲の社会や環境をきちんと生きながら、古代と現代、地中海と日本などを頭のなかで行き来したいと思っています。そのあたり、本は自由自在ですね。

 ぜひ来年もどうぞよろしくお願いいたします。